2017年03月31日
以前は、お通夜は臨終の際の看病の延長だと言われていました。息を引き取り、故人となってしまっても、その人はまだ生きている状態と故人となってしまった状態との堺にいると考えられていました。そこで、まだ中間の場所にいるうちになんとかまた行き返ってほしいと望み、故人が生きていたときと同じように食事を出して夜を一緒に過ごすという時間だったとされています。
その後は亡くなったその晩は身内だけで営むという形になりました。以前の考えかたからみれば、この身内だけで営むという形がふさわしいとも言えます。それからさらに年月が経過して最近は夜間の告別式化していると言われています。
多くの場合、午後6時頃から僧侶による読経とお焼香が行われます。そして、地域によって行うところと行わないところがありますが、通夜振る舞いがあります。弔問する人たちは、場合によっては仕事を休んで参列する告別式よりも夕方から仕事帰りに参列できるほうが好都合だという人も多くいます。そのため、最近はお通夜に弔問客が集中する傾向があります。そして、そんな状況から告別式化していると言われるようになったようです。しかし、そうはいっても宗教的な儀礼や通夜振る舞いが終わった後には、遺族はお線香と灯明を絶やさずに故人を見守ります。近年はほとんどが斎場で葬儀を行っています。そのため、斎場によっては火を消さなければならないところもあります。そんな現実的な状況からもお通夜のあり方は変化していると言わざるを得ないのかもしれません。